著名な美術作品の中の人物、ポップスターや女優など、様々な肖像に自ら扮した数多の作品で知られる森村にとって、美術における「オリジナリティの神話」に揺さぶりをかけたアンディ・ウォーホルは重要な参照点のひとつだ。「経済の自画像」シリーズは、作品で扱った人物の多くが、紙幣のデザインに用いられていることに気付き手掛けたもの。大量に複製される一方で、一つひとつに固有の番号がついている紙幣は、究極のマルチプルかもしれない。
森村泰昌《銃を持つ私/ウォーホルに捧げる》1998/シングルチャンネル・ヴィデオ/作家蔵
Courtesy of Yoshiko Isshiki Office, Tokyo