完全遮光した室内に、赤と緑の光が1秒ごとに切り替わって点灯し続ける照明を設置する。持ち込まれた色カードを色相順/色調順かを判断し、壁に貼る・・・。《色調補正-1》(2005)では、作家自らが設定した空間の領域外では成立しないことを前提としたカラーシステムの構成が試みられる。制限のある環境下で色調の再現がどれほど正確に実現できるかという作家の問いかけは、人間の知覚へのあくなき探求へと結びついている。
豊嶋康子《色調補正-1》(公開制作、府中市美術館)2005/インスタレーション/
作家蔵[参考図版] Photo: Daisuke Awata