藤堂高行《SEER》2018-2021年/作家蔵
SEERと題された小さなヒト型のロボット頭部は、対面者の目に視線を結ぶ「アイコンタクト」と、その表情を認識し模倣する「ミラーリング」という2つのインタラクションを同時に行うことで、多彩な表情を生み、それがあたかも感情や意思を宿しているかのような、そして対面者に応え、共感を返しているような印象を与える。SEERの存在は、私たちが日ごろ他者と交わしている対面コミュニケーションの質が、シミュレート可能なものであることを示唆してしまう。このヒト型のオブジェの動きの何がそこまで鑑賞者に自己投影を促すのか。動的な身体の関係性としての「視線」のあり方に意識を向けさせるのが作者の狙いであるという。
日時:令和3年2月5日(金)~2月21(日)<8日(月)、15(月)休館>
10:00-20:00(最終日は18:00まで)
会場:東京都写真美術館展示室
入場:無料