渡辺豪《積み上げられた本》2019-2020[参考図版]/「停滞フィールド」展(トーキョーアーツアンドスペース本郷、2020)より
撮影:加藤健
画像提供:Tokyo Arts and Space
ゲームや映画の世界では、当たり前となった3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)は、3次元上の立体物をコンピュータ上の平面に視覚化する手法として浸透し、現代の映像表現を考える上で欠くことのできない重要な役割を担っている。渡辺豪は、大学院在籍中より3DCGを用いた作品の可能性を探求し、時間と空間の現実認識を問う、挑戦的な表現を生み出してきた。第13回恵比寿映像祭では、本館で紹介される、3DCGで作成した顔にヒトの皮膚画像を貼り付けた初期代表作〈フェイス〉シリーズに加え、渡辺が数年前から取り組んでいる、身の回りにあるモノを対象にしたインスタレーション作品《積み上げられた本》を日仏会館ギャラリーで公開する。本作は、部屋の片隅に積まれた書籍を1冊ずつ3DCGに起こし、再構成したアニメーション作品で、積み上げられた本それぞれが、渡辺が生活のなかで採取した屋内外のいろいろな光源によって浮かび上がる。本展では、《積み上げられた本》と同様の手法で制作された、《まぜこぜの山》をロビーに展示する。
※本作は、トーキョーアーツアンドスペース本郷の「停滞フィールド」展で2020年2月に発表され、コロナ禍により、わずか7日間で中止となったインスタレーションを再構築するものである。
日時:令和3年2月5日(金)~2月21(日)<8日(月)、15(月)休館>
10:00-20:00(最終日は18:00まで)
会場:日仏会館ギャラリー
入場:無料