1895年、現在の投影式の映画上映の原型と考えられる、シネマトグラフによる上映が行われた。映画の父と呼ばれたリュミエール兄弟による映画の大部分は、人々の日常生活や街頭風景、王室の公式行事、祭りなどを撮影した実写映画だったが、単なる記録を超え、身近な生活の一コマがドラマに変わる映画の魅力に多くの観客が熱狂した。1896年にリュミエール社はシネマトグラフを事業化し、カメラマンおよび映写技師を世界各地に派遣し、撮影と上映を展開。リュミエール社の技師コンスタン・ジレル、ガブリエル・ヴェールは1897–1898年に日本に滞在し、明治時代の日本を撮影した32本の映画を残している。アイヌ民族の踊りを含むこれらの記録は、当時の異国に対する植民地支配的な視線の証左にもなっている。
展示 有料
リュミエール兄弟とリュミエール社
2022年2月4日 - 2022年2月20日 10:00-20:00 〈最終日は18:00まで。7日(月)、14(月)休館〉
東京都写真美術館 3F 展示室
リュミエール兄弟(オーギュスト・リュミエール&ルイ・リュミエール)《リュミエール社作品集》1895年頃/東京都写真美術館蔵