「東京国際ろう映画祭」が上映してきた作品を4つのプログラムで紹介する。稀代のろう映画監督・深川勝三による1970年代の東京を舞台にした人間ドラマ《たき火》、ろう者たちの音楽を問う《LISTEN リッスン》、家族の不条理を描く《田中家》、インド人の盲目の蠟燭職人と日本人のろう者の舞踏家を追ったロードムービー《TOTA》—— 目で生きる人たちの感覚や知覚を通じて浮かび上がってくる表象や新たな概念を体験し、この世界を捉え直していく4作品。[牧野依里]
「東京国際ろう映画祭」は、聾(ろう)者と聴者がスタッフとして協働しながら、ろうにまつわる優れた中長編を上映する映画祭。2017年より隔年開催を重ねている。《たき火》は、日本ろう映画の先駆者といえる稀代の映画監督・深川勝三による人間ドラマ。彼の死後に、おおだてのぶひろ監督が編集・完成させた。舞台は1970年代、北海道から上京したろう青年は、靴磨きの仕事をする女性ろう者と知り合うが、仕事と生活では苦労が続く。家族間の葛藤、青春、昭和の時代のろう者の自立と成長が描かれている。
ゲスト・プログラマー:牧原依里 (東京国際ろう映画祭ディレクター、映画作家)
リンク:東京国際ろう映画祭
日時:2月5日(日)18:00- | Q&A:牧原依里、おおだてのぶひろ(映画監督)[手話通訳付]
会場:東京都写真美術館1Fホール
料金:800円(前売) 1,000円(当日)
※詳細は「チケット」ページをご覧ください。
Works
深川勝三《たき火》
1972年/108分/サイレント/日本手話・日本語字幕