ジョナス・メカス
Jonas MEKAS
1922年リトアニア生まれ。2019年没。兄のアドルファスとともに1949年に戦争難民としてニューヨーク市に上陸した。詩人であり、映画監督でもあったメカスは、アメリカ前衛映画の「ゴッドファーザー」と呼ばれるにふさわしい、さまざまな肩書きを有した。初監督作品を発表する前、1955年にアドルファスとともに『フィルム・カルチャー』誌を創刊し、まもなく映画評論家として『ヴィレッジ・ヴォイス』誌に参加。これらの雑誌は、個人表現の芸術としての映画に対する彼の考えを伝え、検閲や既存の製作・配給システムから解放された新たなタイプの映画を呼びかける主要な手段となった。1960年代半ばには、メカスのロフトは前衛的な映画文化を推進する拠点になり、その10年間でメカスは「ニュー・アメリカン・シネマ・グループ」の結成や「フィルムメーカーズ・コーペラティヴ」「フィルムメーカーズ・シネマテーク」「アンソロジー・フィルム・アーカイヴス」の設立に携わった。メカスは映画の日記形式を発展させたという点で、大きく評価されている。Photo: Arunas_Kulikauskas