-
SHARE
- X (Twitter)
〈行為(孤高継続)存在〉道〉2023.1.31~》(2023年)は、1000ページにも及ぶイマヌエル・カントの『純粋理性批判』のペーパーバックを支持体に、有馬かおるの真骨頂とも言える美術の起源としての落書きを想起させる無数の鉛筆ドローイングが描かれている。今回、原書の意味や解釈からの解放と共に、映像の一回性にも通じる様々な環境やタイミングにおける一度きりの鑑賞体験を楽しむ試みとして、会場スタッフが毎日一定時間おきにページをめくっていき、会期を通してゆっくりと一冊を読み進めるプレゼンテーションを試みる。この瞬間に全てを見ることはできないからこそ、描かれているものだけでなく、余白や空白、そこに描かれたかもしれない何かを想像する。鑑賞者のみならず作家自身が描くことについての真理を追求した自明の作品である。
日時:2024年2月2日(金)〜2月18日(日) 10:00-20:00(最終日は18:00まで) *12日(月・振休)は開館し、13日(火)は休館
会場:東京都写真美術館2F展示室