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杉原玲那の《Carried》は、人骨解剖図と卵型のオブジェからインスピレーションを得て、同時に描き進められた複数の絵画のうちの一点である。杉原は、こうしたオブジェを核に同時進行で複数の絵画を制作する方法によって、それぞれの画面上で保留や消去、加筆を繰り返す。そうすることで制御できない感情や欲動と客観的な自己省察の間で、制作過程の対象と冷静な距離感と判断力を保ちながら、最終的な絵画群(=作品)としての核心、つまり完成に至るのだという。日々書き綴られた日記が感情や思考の流れを時間軸で追うことができるように、一連の過程で生み出されるこれらの絵画群(=作品)において杉原の関心は、最終的にどういうイメージになるかより、どのような過程で作り、いかにこのイメージに定着したのかに向けられ、重きが置かれている。
日時:2024年2月2日(金)〜2月18日(日) 10:00-20:00(最終日は18:00まで) *12日(月・振休)は開館し、13日(火)は休館
会場:東京都写真美術館2F展示室