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中谷は、父親で物理学者の中谷宇吉郎によるエッセイ「立春の卵」に触発されて《卵の静力学》(1973年)を制作した。立春の日に卵が立つという伝聞を、科学的考察から立春の日でなくても卵が立つものだとした宇吉郎の着眼点から、中谷は実際の卵を立てる行為をワンカットで記録することで、なぜ卵は立つのか、その動作を観察する時間を浮き彫りにする。同様の方法で、蜘蛛が巣を作る様子をワンカットで撮影した《風にのって一本の線を引こう》(1973年)では、当時実際の蜘蛛を展示し、ライヴ映像で巣を作る様子を観察しようとしたと言う。自然の現象や自然の創造力への敬意と好奇心が観察し想像する時間を生み出している。
日時:2024年2月2日(金)〜2月18日(日) 10:00-20:00(最終日は18:00まで) *12日(月・振休)は開館し、13日(火)は休館
会場:東京都写真美術館2F展示室