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少年時代に中国本土から香港へ移住した白雙全は、政治、歴史、宗教、グローバリゼーションの領域における複雑な問題を、現実と想像が交差するユーモラスかつポエティックなアイディアで表現し記録する。ある夜、自室のベッドで眠りながら天井を見つめ「この部屋の空気を全部吸い込むにはどれくらいの時間がかかるのだろう?」と思ったことが本作《Breathing in a House》(2006年)制作の契機になったという。釡山ビエンナーレに参加するにあたり、現地に香港のアパートとほぼ同じ大きさの6.7m×2.7m×2.2mの部屋を借り、いつもと同じように生活をし、自分の吐き出す息を透明なビニール袋に集め、そのアパートの部屋全体が埋まるまで10日間続けたパフォーマンスの映像である。こうした個人的な観察やジェスチャーと日常生活へのコンセプチュアルな関わりを通して制作された作品は、自由な解釈を促し日常生活における様々な可能性を示唆しながら、鑑賞者自身の内省のきっかけとなる出会いを誘発する。
日時:2024年2月2日(金)〜2月18日(日) 10:00-20:00(最終日は18:00まで) *12日(月・振休)は開館し、13日(火)は休館
会場:東京都写真美術館2F展示室