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今回の恵比寿映像祭のテーマにも引用された《月へ行く30の方法》は、土屋信子が継続的に発表しているインスタレーションのタイトルである。土屋が世界各地で見つけ、時には廃材と見做されてしまうであろう「何でもないもの」は、スタジオで長期にわたって温存されたり、見つけられた場所や時間を様々に横断した組み合わせを試みられたり、まさに土屋の直感によって生成と解体、再生を繰り返しながら、詩的で物語性を帯びた有機的な彫刻へと形作られる。それは土屋の内省的なコミュニケーションであると同時に、時間の概念や素材の性質を超越する化学実験のようでもある。こうして生み出されるさまざまな感性や感覚のはざまに漂う土屋の作品は、言語や理論による解釈から解き放たれ、我々の想像力をも超えた存在として無限の可能性を秘めている。
日時:2024年2月2日(金)〜2月18日(日) 10:00-20:00(最終日は18:00まで) *12日(月・振休)は開館し、13日(火)は休館
会場:東京都写真美術館B1F展示室