今年の恵比寿映像祭は、二度の大雪という悪天候にもかかわらず、
さまざまなアーティスト、関係者の方々のおかげで、
充実したイベントやアーティストトークなどを開催することができました。
会期は終了しましたが、随時フェスティバルレポートを更新していきたいと思います!
まずはライヴイベントのフェスティバルリポートをお届けします!
恵比寿映像祭の本分でもある領域横断性を体現するライヴ・イヴェントが、
先週末15日(土)に行われました。
会場は360度軽やかな質感の幕に包まれて、
外の寒さを忘れさせる温かな雰囲気。
進行役は、川村亘平斎さんの操る影絵のキャラクターたちです。
冒頭は、久保田麻琴さんの楽しい語りとともに
踊るということの本質を問うイントロダクション。
プレゼン映像の背後からそびえたつささらも凛々しい4人の舞手が登場。
岩手県一関市に伝わる鹿踊(ししおどり)の実演が始まります。
さらに大石始さん、東野祥子さん、そして東京鹿踊代表の小岩秀太郎さんを
加えたセッションで、さまざまな踊りのあり方の理解を深めました。
いよいよ照明の落ちた空間の一角に、人影とともにスリリングなビートが。
ヒューマンビートボクサー AFRAさんと櫻井響さんの登場で、
一気に空間の重力が変わります。
影絵キャラクターたちのガイドと、多彩なビートによる音頭取りで、
参加者の身体とともに、無数の影が動きだしました。
今回のライヴ・イヴェントは、スクリーンや舞台と客席、
演者と観客という場の制約を壊すかつてない試み。
輪の中にある至福感が、写真ではなかなか伝わらないのが残念です。
このライヴ・イヴェントの企画監修者・清宮陵一さんは、
これまでに数々の音楽イヴェントやアートプロジェクトに関わりながら、
大震災後のコミュニティ意識の変化や、踊る場の持ちうる意味を自らも
深く問い直しているとのこと。
簡単に答えの出ることではないけれど、恵比寿映像祭という祭りにとっても、
大切なひと夜となりました。
大雪の翌日に足を運んで下さった皆様にも感謝です!
重なり合う影が踊りだし、空間の磁場が変わる至福~恵比寿演舞場! はコメントを受け付けていません。
《おくりもの― 藤幡正樹 Expanded Animation Works》は、メディア・アートのパイオニア的な存在である藤幡正樹さんの1970年代から80年代の貴重なアニメーション作品をご紹介する上映プログラムです。
2月15日(土)の上映終了後には、ゲストプログラマーの松井茂さんに加え、
藤幡正樹さんご本人にもご登壇いただき、当時のくわしいお話を聞くことができました。
あと2回の上映がありますので、どうぞお見逃しなく。
2月20日(木)18:30~ 上映終了後レクチャーを予定(松井茂)
*上映終了後に予定されていた藤幡正樹さんによるレクチャーは、急遽キャンセルとなりました。
代わりにゲスト・プログラマーの松井茂さんにご登壇いただきます。
2月23日(日)15:00~ 上映終了後アーティストトークを予定(藤幡正樹×松井茂×木村智哉)
最終日の上映には、戦後の日本アニメーションを研究されている木村智哉さんを加えてのトークがありますのでどうぞお楽しみに!
おくりもの― 藤幡正樹 Expanded Animation Works はコメントを受け付けていません。
プレスツアーにお越しくださった新聞社の方に御取材頂き、新聞社サイトでの
映像ニュースとして紹介して頂きました。フェスティバルのニュースだとして
来日中の作家たちからも承諾をもらい、こうしてご紹介出来る事になりました。
http://www.yomiuri.co.jp/stream/m_news/vn120213_10.htm
ぜひご来館頂き、実際の作品をご堪能ください。
恵比寿映像祭出品作品を映像でご紹介いたします_ YOMIURI ONLINE はコメントを受け付けていません。
今日はあいにくの雨でしたが、昨日来日したマーク・ルイスを迎えての
上映とアフタートークなども開催されました。今日のフォトレポートをご覧ください。
上映後アフタートークで語るマーク・ルイス
上映を見逃してしまったという方には、2月18日(土)18:30~「マーク・ルイス特集」の再度の上映をお知らせ致します。
疾風のように眼前を過ぎゆくファウンドフッテージ作品を展示_ヨハン・ルーフ、ラウンジトークより
ヨハン・ルーフは、せっかく来日したのだからと、恵比寿界隈で2月16日(木)19:30~
ヨハン・ルーフ特集とヨハンルーフセレクトによるウィーン特集を上映する事になったのだそうです。
http://mameromantic.com/?p=12643
更に彼の作品をご覧になりたい方には併せて鑑賞して頂く事で、更に彼の作品に対する
理解が深まることでしょう。
夜に映し出される映像は風景に溶け込んで昼間とは違った風景に_センター広場、エキソニモ作品より
本日のフォトレポート!_14日(火) はコメントを受け付けていません。
週末ということもあり、多数の方々にご鑑賞頂き誠に有難うございました。
本日のフォトレポートを御紹介致します。
複数のイメージが配されるだけで視覚体験は動画的になる_前沢知子作品より
空間を見るという時間的な体験_物質的試行_鈴木了二作品より
シンポジウム_映像アーカイヴにおけるそれぞれの組織のケーススタディを議論
なみのおと上映より_濱口監督と酒井監督
本日のフォトレポート! はコメントを受け付けていません。
それぞれの場所で、それぞれに人が集い、作品を鑑賞し、
作家とコミュニケーションし、出会いと議論と体験とが
織りなすものは、貴重な時間だったと思います。
その一部の様子を記録写真でご紹介致します。
チェコセンターにて ヤン・シュヴァンクマイエル氏同氏の作品展示
同氏の作品展示
AITで映像祭出品作家のトークを開催
作品制作について語る松本力氏
恵比寿映像祭上映プログラム参加の中田周作氏
amuでは映像祭出品作品を資料上映しました
夢をキーワードに日常の思考を客観視するワークショップです
詩人三角さんをお迎えしてのフリーディスカッション
地域連携、恵比寿界隈も色々な出会いがありました。 はコメントを受け付けていません。
お陰さまで、第3回恵比寿映像祭を開幕しましてから
5日間が過ぎようとしています。週末は多くの方々に
お越し頂きましたが、平日は逆にゆっくり時間をとって
見に来たという御客様が多いように感じられます。
とはいえ、平日昼間は働いている方々にもお越し頂きたく
通常は18時閉館の当館ですが、恵比寿映像祭期間中は
20時まで開催しております。
ぜひ期間中、平日のご来館も御待ちしております。
展示室の様子を一部ご紹介致します。
映像のためのドローイングを披露する松本力
マンガ家しりあがり寿の単純な線画アニメーション
客観性とフィクションの間を行き来する水越変重子
現実と虚構、正気と狂気がせめぎあうハヴィア・テレーズ
緑子の1回目の上映を終えた黒坂圭太。ドローイング展示しています。
平日の展示室は比較的ゆっくりご覧になれます。 はコメントを受け付けていません。
昨夜の恵比寿ガーデンプレイスセンター広場は、
もうひと組のダンサーによるダンスインスタレーション。
600人ほどの観客の皆さんに囲まれて、パフォーマンスは始まります。
プロフェッショナルなバレエキャリアを持つのアレッシオと
多様なダンスキャリアを持つ青木尚哉のコラボレーションは見事でした。
LEDライトを装着した身体と身軽な動きがマッチ、また環境作品の
インタラクティヴな反応と音が効果的に働きます。
その様子を記録写真からご覧ください!
■彼らの次の公演は、22日(火)、24日(木)、26日(土)
18:15~18:45 恵比寿ガーデンプレイスセンター広場にて
アレッシオ・シルヴェストリン
Alessio SILVESTRIN
ベジャール・バレエ・ローザンヌ、リヨンオペラ座バレエ団を経て、
ウィリアム・フォーサイス率いるフランクフルトバレエ団に所属。
退団後もフォーサイスカンパニーのゲストダンサー、振付家として活躍。
2003年より日本を拠点にフリーランスアーティストとして活動を開始。
ブラジルのダンスカンパニーSão PauloConpanhia de Dança、愛知
芸術文化センター、Noism05、新国立劇場、山口情報芸術センター、
セルリアンタワー能楽堂などの委託により作品制作とプログラムを手掛ける。
青木尚哉
AOKI Naoya
ダンサー/振付家。16歳よりダンスを始める。ジャズ、モダン、
バレエなど様々なスタイルを学び、多くの振付家の作品に出演。
プロッフェッショナルダンスカンパニー 「Noism」(金森穣芸術監督)
の発足に参加。国内、海外ツアー(NY、チリ、ブラジル、モスクワ、韓国等)、
ほぼ全ての公演に出演。2008年の退団後、現在はフリーのダンサーとして
活動しながら、バレエ、コンテンポラリーダンスの指導、振付を行うほか、
関係性から生まれる身体の動きをテーマにしたワークショップ『コンタクト・
バランス』を定期的に開催している。
昨夜のアレッシオ・シルヴェストリンと 青木尚哉。 はコメントを受け付けていません。
先日ブログでもご紹介したローレンス・ジョーダン。
2010年度アメリカ国立フィルム登録簿(NATIONAL FILM REGISTRY)に
選出されたニュースでご紹介したアーティストです。
第1回恵比寿映像祭とそして、今回も作品上映するあの
ブルース・コナーとともにフィルム・ソサイエティを組織し
サンフランシスコ発の実験映画のために映画館を立ち上げた同氏ですが、
今まであまり日本では紹介されてこなかったのです。
本日はそんな同氏がラウンジトークに参加してくださいました。
切絵コラージュによるアニメーション制作について、
作品を見ながらのレクチャーに、会場は満席。
彼の話をまじかに聞いて、シュールな描写、夢の中を
さまようような表現手法の説明に、思わず引きこまれた方も
多かったのではないでしょうか。
ローレンス・ジョーダン氏
質問する奥さま
熱心に聴き入る観客の皆さん
ようこそ日本へ、ローレンス・ジョーダン。 はコメントを受け付けていません。
美術館における作品収蔵は、近年まで絵画や造形など
物質(物体)としてのものが多く、その収蔵方法も
温度や湿度など様々な条件をチェックしながら、
厳重にかつ慎重に収蔵をしてきました。
当館(東京都写真美術館)でも写真収蔵など、
日々行われていることです。
本日ラウンジトークで繰り広げたトークは
美術館における「映像」収蔵や展示などについてです。
チューリヒのキュレーターを招いて議論を致しました。
映像はメディアを介して実現出来るものでありますが、
そのメディアは、年々進歩する為、作品制作を行っても
そのメディアそのものの形式や反映する機材の状況によって、
収蔵の期限や展示に大きく影響します。
その数々の問題点や今後における必要な視点について、
熱く語りあいました。国が異なっても抱える状況は
近しいものが多く、様々に意見交換致が出来意義深い
内容となりました。
ミリアム・ヴァラディニス(チューリヒ美術館キュレーター)
恵比寿映像祭ディレクター 岡村恵子
ラウンジトーク、美術館における映像の収蔵… はコメントを受け付けていません。