恵比寿映像祭とは
恵比寿映像祭は、平成21(2009)年の第1回開催以来、年に一度恵比寿の地で、展示、上映、ライヴ・パフォーマンス、トーク・セッションなどを複合的に行ってきた映像とアートの国際フェスティヴァルです。映像分野における創造活動の活性化と、映像表現やメディアの発展をいかに育み、継承していくかという課題について広く共有する場となることを目指してきました。近年では、地域とのつながりや国際的なネットワークを強化し、一層の充実と発展をはかっています。
総合開館30周年記念
恵比寿映像祭2025について
恵比寿映像祭では、映像という言葉を限定的に用いるのではなく、映像をめぐる様々な選択肢に目をむけ、多様化する映像表現と映像受容の在り方を、あらためて問い直してきました。芸術と映像が人にもたらしうるオルタナティヴな価値観(ヴィジョンズ)の生成を促し、存続させていくためのプラットフォームとして、発信を続けています。毎回テーマをかかげ、「映像とは何か」という問いを投げかけながら、国内外の映像表現を紹介する歳月のなかで、映像を取り巻く状況は大きく変化し、映像を規定する枠組みやテクノロジーも多様化しています。
このような映像をめぐる社会状況の変化のなかで、引き続き「映像とは何か」という問いを深めていくために、恵比寿映像祭2025では、第2回を迎える「コミッション・プロジェクト」(3階展示室)で、選出された4名のファイナリストの新作を展示します。加えてテーマと結びついたいくつかの新たな試みを開始し、映像祭の役割をさらに強化していきます。
総合テーマ
Docs―これはイメージです―
ドキュメント(document)は書類や文書を意味し、事実に基づく情報の記録(言葉はもとより写真・映像などのイメージを含む)を指します。そして、これを形容詞化したドキュメンタリー(documentary)という言葉はドキュメント的という語義を持つだけでなく、記録映画を意味する名詞としても使用されます。
実写映画の起点がリュミエール兄弟による、工場から出てくる人々を記録した《工場の出口》(1895年)であることはよく知られています。公開時、人々は日常で目にする光景が、あたかも実際にその場でその出来事が起こっているかのように、眼前に記録・再生されることに驚愕しました。この発明から130年を経た現在、誰もが写真や映像を通じて生活を記録し、共有することが当たり前になっています。他方で、写真は画像へ、映像は動画へ、いわば従来より自由に制御可能なデジタルデータへと拡張し、事実とそれを表すイメージとの関係はより複雑で曖昧なものになっているのではないでしょうか。東京都写真美術館総合開館30周年記念「恵比寿映像祭2025」では、これらのメディアの変容に着目し、幅広い作品群をイメージと言葉からひも解くことで、あらためて「ドキュメント/ドキュメンタリー」の再考を試みます。
3階展示室では、第2回となる「コミッション・プロジェクト」のファイナリストによる新作から、それぞれの個人的、社会的、歴史的な背景や問題意識の違いを通して、「ドキュメント/ドキュメンタリー」の間にあるものを探っていきます。2階展示室では、映像、写真、資料などのパフォーマンスや身体性と関連する作品群を通して、時間を記録することに焦点をあてながら、文化的多様性やアーカイヴについても掘り下げていきます。地下1階展示室では、東京都のコレクションを含む、19世紀から現代にいたる多様な表現を紹介し、言葉とイメージの問題をひも解いていきます。
美術館の外で展開するオフサイト展示では、テーマに寄り添った作品を体験できる場をつくりだしていきます。また、連日、1階ホールを中心に、上映、パフォーマンス、ライヴ、トーク、ディスカッション、ワークショップなどのプログラムを行い、作家と来場者が、ともにテーマにあわせて思考を重ねていく場をつくりだしていきます。
開催概要
- 名称
- 総合開館30周年記念
恵比寿映像祭2025 Docs―これはイメージです―
- 会期
- 2025年1月31日(金)~2月16日(日)[15日間] 月曜休館
※コミッション・プロジェクト(3F展示室)のみ3月23日(日)まで
- 時間
- 10:00–20:00(1月31日~2月15日/最終日16日は18:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
※コミッション・プロジェクト(3F展示室)のみ10:00–18:00(2月18日~3月23日/木・金は20:00まで)
- 会場
- 東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス各所、地域連携各所ほか
- 料金
- 入場無料
※一部のプログラム(上映など)は有料
※諸般の事情により、開館時期・内容などを変更する場合がございます。展覧会などの詳細、最新の情報は本ホームページをご確認ください。
- 主催
- 東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/日本経済新聞社
- 後援
- J-WAVE 81.3FM
- 協賛
- 東京都写真美術館支援会員
お問い合わせ
一般の方
恵比寿映像祭に関する詳細については、以下までお問い合わせください。
東京都写真美術館
受付時間: 10:00-18:00
月曜休館(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館・年末年始休館)
プレスの方
恵比寿映像祭に関する取材、掲載、広報用画像等については、以下までお問い合わせください。
※報道・媒体関係者様のお問い合わせに限らせていただきます
恵比寿映像祭2025事務局
受付時間: 10:00-18:00(平日)
※本サイト、あるいはプレスリリース内で使用している写真を広報用画像としてご用意しています。
①ご所属 ②貴媒体名 ③掲載予定時期 ④ご希望画像の作家・作品名などを記入のうえ、上記のプレス担当者までご連絡くださいますようお願い申し上げます。