松本俊夫プロフィール
映画監督、映画理論家。
1932年名古屋市生まれ。
東京大学文学部美学美術史学科卒業。
日本の前衛的記録映画、マルチ映像、ヴィデオ・アートの草分け的存在として、
国内外の映像作家に多大な影響を与えてきた。静止写真のみで構成した《石の詩》
(1983年)などの実験的ドキュメンタリーや、《薔薇の葬列》(1988年)、
《ドグラマグラ》(1988年)などの劇映画、《アートマン》(1975年)などの実験映画や
ヴィデオ・アートなど、常に斬新な実験精神に満ちた作品を数多く手がけてきた。
同時に、半世紀にわたり、幅広い映像ジャンルを横断して論じてきた
数少ない理論家の一人である。
2009年、シアター・イメージフォーラム(東京)にて大規模な回顧上映を開催。
宇川直宏プロフィール
1968年、香川県生まれ。ヴィデオ・プロジェクターを持っていることがそのままVJの
条件だった時代から、ダンスフロアでのライヴな映像体験の創出を探求し、
多くの追随者と模倣者を持つトップランナーとなる。現代美術作家、
グラフィック・デザイナー、アート・ディレクター、映像作家、オーガナイザー、
プロデューサー、文筆家、キュレーター、大学教授、ミュージシャン等々と
それぞれ称しうる、ジャンルを(横断もしくは超越)した活動を展開しているが、
その核心部分には、映像制作に携わりたい一心でポルノ・ヴィデオの現場に飛び込んだ
若き日と変わらず、常に映像への欲望があるといってよいだろう。
確信犯的に文脈を解体し、ファインアートと大衆文化の間を自在に行き来して
自らの表現活動を展開している稀有な存在。その一見挑発的な態度とは裏腹に、
松本俊夫、田名網敬一ら先人へのリスペクトは惜しまず、
未だ世に知られざるオリジナルな(宇川いわく「ヤバイ」)表現や、
不当に評価の低い偉業の発掘紹介にも努めている。
教授を務める京都造形芸術大学では、東京と京都の距離感を逆手にとって、
双方向テレビ番組の形態をとった授業を展開するなど、思考と試行を絶えず繰り返しながら、
飽くなき情熱で未開拓な領野を駆けまわる。東京都在住。
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