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飯村隆彦

飯村隆彦 / IIMURA Takahiko
1937年生。1960年代からフィルム、ヴィデオ、インスタレーション、パフォーマンスなどのメディアにおいて数々の実験映画・映像を制作。著書=『芸術と非芸術の間』(三一書房、1970)、『ヨーコ・オノ──人と作品』 (文化出版局、 1985)、 『映像実験のために──テクスト・コンセプト・パフォーマンス』(青土社、 1986)、『’80年代芸術フィールド・ノート──ニューヨークの映像、美術、パフォーマンス』(朝日出版社、 1988)など。作品カタログ=『Takahiko Iimura Film and Video』(Anthology Film Archives、New York、1990)、『Seeing, Takahiko Iimura Film et Video』(Jeu de Paume Garelie Nationale、Paris、1999)など。
http://www.takaiimura.com/
http://takaiimura.sblo.jp/

Q1. あなたにとってもっとも忘れがたい映像はなんですか?
A. いささか、アンケートの質問に理解しがたいところがあります。今回の映像祭を「オルタナティヴ・ヴィジョンズ──映像体験の新次元」という前向きの「新次元」を目的とするにもかかわらず、質問が、「もっとも忘れがたい映像」という過去の記憶による、あえて云えばファン雑誌的な趣向を問うことの疑問です。問われるべきは「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」の内容であり、作品ではないでしょうか。その意味で、いわゆる「実験映像」を推します。

Q2.  忘れがたい映像について理由を教えて下さい
A. 「実験映像」にも様々なメディアと内容がありますが、写真美術館の映像部門に期待するのは、一般に呼ばれる「実験映画」と「ビデオ・アート」とさらに欧米で「エキスパンディド・シネマ」と呼ばれる、フィルム、ビデオ、コンピュータを含むインスタレーションとパフォーマンスです。これらは「現在における『映像』の在り方」だけではなく、日本でも半世紀以上となる歴史を含む必要があります。歴史から現在を見る視点です。

Q3. あなたにとって「まだ見ぬ」映像とはなんですか?
A. 「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」の現在さえもが私を含め、はっきりと捉えられない状態で「未だ見ぬ映像」を問うことはロマンティックであっても、「現在」がよく見えてくるでしょうか。むろん未来から現在を見る視点も必要ですが、それがロマンティックな空想論や、技術的なニュー・メディア論とは異なる「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」を私は想像しています。その想像の一端をすでに20に及ぶ自主制作のDVDで実現しています。

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