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北島敬三

北島敬三 / KITAJIMA Keizo
1954年生。写真家。写真集=『写真特急便 東京』(パロル舎、1979—80)、『『写真特急便 沖縄』』(パロル舎、1980)、『写真特急便[東京]』(パロル舎、1980)、『NEW YORK』(白夜書房、1982)、『Keizo Kitajima 24 Pictures 1983-1988』(展覧会リーフレット、1988)、『A.D.1991』(河出書房新社、1991)、『PORTRAITS+PLACES』(photographers’ gallery、2003)、『THE JOY OF PORTRAITS』(RAT HOLE GALLERY、2009)など。

Q1. あなたにとってもっとも忘れがたい映像はなんですか?
A. 自分が写っているはずの風景

Q2. 忘れがたい映像について理由を教えて下さい
A. ときどき自分の古い記憶をたどってみると、いつも、ピンク色に淡く光るアルマイトの洗面器に行き着く。それは、隣家の日の当たる庭先にころがっていた。4歳くらいのときで、それ以前のことは覚えていない。しかし、家族の記念アルバムを見ると、それ以前の自分がいろいろなすがたで写されている。その写真は子供の頃から見慣れているので、今では、まるで自分自身が体験したことのように思い浮かぶ。ピンク色の洗面器と記念写真の自分の姿は、たぶんとても質の違う映像だと思うし、深く考えれば自分の同一性がすでにそこから脅かされているはずなのに、私は自分の記憶としてすんなりと受け入れてしまっている。つねに映像は言葉に対しヴァルネラブルである。とくに「もっとも忘れがたい映像」という言葉には。

Q3. あなたにとって「まだ見ぬ」映像とはなんですか?
A. 自分が死んだあとの世界

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