渋谷慶一郎 / SHIBUYA Keiichiro
東京芸術大学作曲科卒業。02年に国内外の先鋭的な電子音響作品をリリースする音楽レーベルATAKを設立。04年ファーストアルバム『ATAK000』を発表。09年ピアノソロ・アルバム『ATAK015 for maria』、本年1月には相対性理論とのコラボレーション作『アワーミュージック』を発表。また、複雑系研究者/東京大学教授・池上高志と音楽/科学を横断する共同作業を継続的に展開。最近では TBSドラマ「SPEC」と12月公開の映画「死なない子供、荒川修作」で音楽を担当するなど多面的に活動中。また現在、ICCで三次元立体音響作品「for maria 無響室バージョン」を発表。来年は国外での大規模なサウンド・インスタレーションの発表が予定されている。
Q1. あなたにとってもっとも忘れがたい映像はなんですか?
A. ペドロ・コスタ『コロッサル・ユース』の白と空
Q2. 忘れがたい映像について理由を教えて下さい
A. たくさんあると思うけど、いま思いついたのがそれなので。
しかしあの白い壁と空のコントラストはすごく鮮烈で、物質性とかいう概念が融解していく感じがあった。
ちょうど何年か前に「スカイライダーズ」(*)の原型を作ったときのイメージに近い。自転車があの白の上、空を飛んで走っていく感じ。
Q3. あなたにとって「まだ見ぬ」映像とはなんですか?
A. それを作るのが課題でしょうね。
音から映像を変換とは違うプロセスで作りたいとずっと思っています。
(*)「スカイライダーズ」……相対性理論とのコラボレーション作、トリプル・シングル『アワーミュージック』(2010)に収録。