映像をめぐる議論を様々なジャンルの有識者を迎え、討議するラウンドテーブル。
それぞれのプレゼンテーションとフリーディスカッションにより、それぞれの立場から 映像論を持ち込みます。「Yebizo ラウンドテーブル season.01」は、映像詩、美術史、哲学、思想、生態学、テクノロジー等の角度から気鋭の論者5名が「映像の生態学」について語り合うという企画です。ラウンドテーブル上の議論を事前に2回行い、またフェスティバル当日は、その議論をもとに、ライヴ・プレゼンテーション形式でディスカッションを行うというものです。そのドキュメントをお楽しみください。

第2回恵比寿映像祭 総合討議「歌をさがして」

第2回恵比寿映像祭 プレラウンドテーブル

RoundTable (All Discussion)RoundTable (All Discussion)

事前に公式ウェブサイト上で展開してきた議論をもとに、ライヴでおこなった最終討議です。メディア環境の激変のなかで拡散する「映像」という言葉に批評的深度が加わるひとつの機会となりました。

イントロダクション

  • 柳澤田実 プレゼンテーション 〈人間の意識の呪縛〉、〈他者への生成変化〉
  • 平倉圭 プレゼンテーション ジャーキングという認識論(エピステモロジー)
  • 大橋完太郎 プレゼンテーション 〈顔〉の崩壊
  • 榑沼範久 プレゼンテーション 感覚の座、ユニットのジャストなチューニング
  • ドミニク・チェン プレゼンテーション 無意識の表象、生態映像メディア
  • フリーディスカッション ~身体、器官、顔と映像、そして再び倫理~/質疑応答
  • Pre-RoundTable (Presentations)Pre-RoundTable (Presentations)

    映像詩、美術史、哲学、思想、生態学、テクノロジー等の角度から気鋭の論者5名をお迎えして、恵比寿映像祭前に行われた、トークセッションの模様をご紹介いたします。

    恵比寿映像祭 ラウンドテーブル開催にあたって

    ProfileProfile

    柳澤田実

    柳澤田実 / YANAGISAWA Tami
    1973年生。南山大学人文学部准教授。哲学、生態学的観点からの人工物(アート、宗教)研究。編著書=『ディスポジション──配置としての世界』(現代企画室、2008)。論文=「宗教的経験と行為の動機付け──経験科学に基づく宗教研究の可能性」「キリスト教から読む大野一雄──魚釣りとしての人間」「地続きの思想──中井久夫、木村敏」など。

    大橋完太郎

    大橋完太郎 / OHASHI Kantaro
    1973年生。東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)特任研究員、ブリュッセル自由大学哲学科自由研究員、および静岡文化芸術大学、玉川大学非常勤講師。専門は思想史、哲学、表象文化論。共著=『ディスポジション──配置としての世界』(現代企画室、2008)。論文=「盲者の感性論と唯物論的一元論──ディドロ『盲人書簡』読解」「自由の徒弟時代──スピノザ『エチカ』における理性の諸相」「La Question du monstre chez Diderot dans Le Rêve de d'Alembert」など。

    榑沼範久

    榑沼範久 / Norihisa Kurenuma
    1968年生。横浜国立大学メディア研究講座准教授。思想文化史、芸術論。編著=『運動+(反)成長──身体医文化論〈2〉』(慶應義塾大学出版会、2003)。論文=「問題の真偽と実在の区分──ギブソンとベルクソン」「ダーウィン、フロイト──剥き出しの性/生、そして差異の問題」「知覚と生3──崩壊する過程のなかで」「視覚の身体文化学2──色のショック体験」「音響による人体の爆撃──第一次世界大戦、フロイト、ポピュラー・ミュージック」「声の暴力、耳の享楽」「自滅するヴィジョン──プラトー、ラカン、『ピーピング・トム』」など。訳書=ハル・フォスター編『視覚論』(平凡社ライブラリー、2007)など。

    平倉圭

    平倉圭 / HIRAKURA Kei
    1977年生。東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)特任研究員。美術/映画理論、知覚論、美術家。著書=『ゴダール論』(近刊)。共著=『美術史の7つの顔』(未來社、2005)、『ディスポジション──配置としての世界』(現代企画室、2008)。論文=「識別不可能性の〈大地〉──ジル・ドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』」など。作品=《テキスト、山、準-部分》など。

    ドミニク・チェン

    ドミニク・チェン / Dominique Chen
    1981年生。NPOクリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事。株式会社ディヴィデュアル共同設立取締役。メディア・アートとウェブ・カルチャーの境界領域で創造性の変移を探り、多次創作性、共有財型協働制作、情報の可塑性とプロクロニズムといったコンセプトを実践する活動にメディア・アートとウェブ・カルチャーの境界領域で従事している。